てくてくクルーズ(東京)①MSCメラビリア|ヨットクラブ

新造船で航く西地中海の休日10日間 (2017/10/12)

 昔は地中海を小さな船の「内側」で航海したことがあります。今回はクルーズプラネットで船会社MSCの「ヨットクラブ」を使いました。いろいろ病気にもなったし、あれこれあったのです。ただし、クルーズだけで、添乗員もパッケージもありません。

 ヨットクラブは約40万円。ほかのクルーズから見ると、地中海のクルーズは「お安い」感があります。

内側 海側 海側
バルコニー
アウレア
バルコニー
アウレア
スイート
ヨット
クラブ
208,000 248,000 268,000 318,000 348,000 398,000

まとめ

  1. 自分だけで行く寄港地の観光はきちんと調べ、コピーをとり、そのコピーは持って行く。(やりませんでした)
  2. 寄港地がわかると観光は数か所選べる。観光地であり、ある地域がダメでも、別の地域を調べる。2か所は調べること。(やりませんでした)
  3. コンシェルジュやクルーズ会社の観光情報はあてにはできない。(まったく役に立ちませんでした)
  4. タクシーがいい場合もある。ただし費用はかかる。イタリアではタクシーのチップは釣銭(€2~3)ぐらいで十分。運賃では5%、長期で10%。アメリカ人の15%なんて嘘。オーストラリア人では全く払わない場合もある。
  5. 現金も持って行くこと。(もっていきませんでした。クレジットカードをもっていきましたが、タクシーでは使えない人が多い)
  6. 英語はまだ使えない地域が多い。(使えない場所に行ったからかも…)

 観光について事前にこれができればいいと思うことを船のコンシェルジュに質問し、現地のガイドを雇おうと考えました。実はほとんど失敗に終わったのですが、でも書くだけ書こうっと。

マルセイユ(Marseille) アルル(Arles)とエクス・アン・プロヴァンス(Aix en Provence)の観光。バン・ゴッホ(Van Gogh)による「アルルの跳ね橋」や「夜のカフェテリア」、セザンヌ(Cezanne)が書いた印象画。有名な郷土菓子はCalisson(カリソン)

ジェノバ(Genova) チンクエ・テッレ(Cinque Terre)の観光。

ナポリ(Naples) ポンペイ(Pompei)の観光。
Antica Pizzeria Port’alba(世界最古のピザ)。メトロ、ダンテ駅からすぐ
La Figlia del Presidente Pizza fritta 揚げピザ
Caffe rosati など(ナポリ王宮) sfogliatella(スフォリアテッラ)名物の焼き菓子

シチリア(Sicily) メッシーナ(Messina)。タオルミーナ(Taormina)市の観光。cannolo(カンノーリ)はシチリアの菓子

マルタ(Malta) バレッタ(Valletta)
キニー(Kinnie)はコーラの一種。内容は正確には不明。おそらくルバーブと朝鮮人参。馬車かタクシーもよく使われるが、でも、エレベーターがおすすめ。

バルセロナ(Barcelona)
St. Josep La Boqueria(市場)

 


私の病気は虹彩炎、強直性脊椎炎(難病)、潰瘍性大腸炎(難病)で、なぜか1人でこの3つを持つ人が多い。また、右半身麻痺もあります。それでも元気です。

てくてくクルーズ(地中海・バルセロナ)④MSCメラビリア|ヨットクラブ

2017.10.13
バルセロナ(Barcelona)

 14:20ごろ(日本時間で21:20)スペインに到着。入国は15:00ごろ。ちょうど23時間かかった。

 車椅子を空港で借りる。プラネットの職員は白髪混じりの50代の日本人の男性。車椅子は空港の外の駐車場で返し、プラネットのバンに乗る。港に着く。

クルーズカード
クルーズカード

 MSCメラビリアの職員にバッグ2つを渡し、チェックイン。あっという間に終わる。クルーズカードと腕バンドをもらう。

腕バンド
腕バンド

 MSCの車椅子に乗り換え、エスカレーターで18階に。車椅子はここで返す。

 私たちのキャビン(クリックで開きます)は18008室。シャンペン(イタリア産なので正確には「もどき」)が1本付いてきた。

 18:00出航。

 18階のヨットクラブのレストランで夕食。前菜とメイン、デザート。極めて普通。

 観光地ガイドの予約は16階にいるコンシェルジュに頼んだが、アルルとエクス・アン・プロヴァンスの2場所を同時に頼むのは難しいといわれ、翌日に判明するので待っていてといわれた。どうもできそうではない。

てくてくクルーズ(地中海・マルセイユ)⑤MSCメラビリア|ヨットクラブ

2017.10.14
マルセイユ(Marseille)、フランス

 船の外の駐車場は観光客を待つバスが沢山。

 船のコンシェルジュは、アルル町とエクス・アン・プロヴァンス町の2か所を案内する人はいないという。また、船が1人当たり€50~90の観光旅行をつくる場合も多いが、「MSCメラビリア寄港地観光プログラム」によれば「歩行が困難なお客様や車椅子の方にはお勧めできません」と書かれている。私もそうで、仕方がないからタクシーに乗って繁華街を見ようと決める。マルセイユ港からタクシーに乗る。

 ところが、この運転手、これは観光タクシーで、どこでも行くし、タクシーなので乗った分だけを払えばいいという。ふ~ん。

 ただし、彼の英語はほとんどだめで、フランス語だけが話せる。

 行く途中、遠くの高い山頂に大きなきらめく建物がある。なんだろうと思い、妻はそこに行こうと運転手に話す。下の写真と全く同じで、「ノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院」だった。

ロズリン・モロー著「マルセイユ 日本語版」(PED、2004年)から

●旧港(Vieux Port)。途中の旧港はヨットだけしかいないが、その数はものすごく多い。なお、タクシーの料金メーターはバックミラーの中にあります。

●ノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院(Basilique de Notre-Dame-de-la-Garde)。バスだとかなり下から登ることになるが、タクシーだと寺院の入口真前まで行ってもらえる。あとはエレベータですぐ屋上にあがれる。

●ボレリー城、公園(Borély Castle、Parc Borely)。装飾芸術・服飾博物館(Museum of Decorative Arts, Earthenware and of Fashion)がある。遠くから写真を。

●マゼルグ環状交差点のオベリスク(Obélisque de Mazargues rond-point)。パリにあるルクソール・オベリスクを模したもの。

●競馬場 この運転手はhorse raceと答えていた。正しい。

●le pouce(the thumb)「親指」というモニュメント。

1965年、セザール・バルダッチーニ(César Baldaccini)氏による自分の親指の彫刻。同じ彫刻でさらに大きなものがパリにある。

●ファロ宮殿(Palais du Pharo)。ナポレオン三世がウージェニー皇后に贈った。現在は公園として公開。

●フリウル(Frioul)諸島。火災で大きな木がなくなった。現在「最後の楽園」と呼ばれている。

ロズリン・モロー著「マルセイユ 日本語版」(PED、2004年)から

●マルセイユ石鹸(Savon de Marseille)。1000年以上の昔から製造。100%天然植物性油脂、無着色、無防腐剤。17世紀、国王ルイ14世は王令を出し、原料油脂はオリーブ油以外の使用を禁止。王令を守って作った石鹸のみが「マルセイユ石鹸」になった。

 他にも沢山ありましたが、フランス語で話されると、全くわかりません。

 今回の料金は€100.00。13:05ごろ、船に帰る。

 ロンシャン公園(Palais Longchamp)だけが見られなかった。

 18階で遅い昼食。6階と19階を散策。妻は香水などの買い物で、€169.90(約2万2500円)。

 18:00、出航。

 夕飯はルームサービスでカルゾーネ・ナポリタン(Pizza Calzone napoletano、Pizza dough turnover、半円のピザ)と普通のピザ。これも無料。

 カジノを通って、シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil、太陽のサーカス)を観る。題名はSonor(音)。日本語では「心の音」。動物を扱わないサーカス。 1人1回€15.00だけど、ドリンクなどのサービス料を含めると、€21.85(約2900円)になる。2人2回観て、€87.40(約1万1600円)。1回は約1時間10分。

 なお、うるさいカジノはやりませんでした。

てくてくクルーズ(地中海・ジェノバ)⑥MSCメラビリア|ヨットクラブ

2017.10.15

ジェノバ(Genova)、イタリア

 ミラノやトリノなど北イタリアを背後に持つジェノバ港はイタリア最大の貿易港。つまり、ほかと比べると観光地の側面は弱い。

 チンクエテッレ(Cinque Terre)の観光は、身障者には無理といわれて、よく似たところもあるポルトフィーノ(Portofino)に変更。しかし、身障者は無理ではなく、船ならできると、日本に帰ってから知った。しかし、ジェノバからチンクエテッレまで船では4時間かかるといい、で、ダメ。

 それでも行くのに1時間、滞在で1時間、帰りで1時間。合計3時間で、€150だった。MSCメラビリアの観光では、船に揺られる小旅行がでていた。予算を忘れているので、どちらがいいのかわからないが、これもいいかもと思う。

 高速道路を降りていくと最初は華やかな町が見えた。妻はすごいといってビデオを撮ったが、タクシーは無情に通り過ぎていった。どうもサンタ・マルゲリータ・リグレ(Santa Margherita Ligure)という町だった。

サンタ・マルゲリータ・リグレ

それから約20分後、ようやくポルトフィーノにでた。漁村だが、今では完全な観光地である。

ポルトフィーノ
ポルトフィーノの浜辺
レストラン

 12:30ごろ港に帰る。18階で昼食。

 15階を見る。続いて7階。

 7階で、イギリス風のパブで、最も低いアルコール度のビールを飲む。ウエイターは若い女性で、きちんとした英国の英語。€4.50だけど、無料。

イギリス風のパブ

 図書館を捜すが、小説ばかり。土地に絡んだ話はない。

 Broardway Theaterで、昔の歌謡曲をまとめた「Way」を観る。音程がちょくちょくずれる。カラオケで採点するのに替えたらと思う。

てくてくクルーズ(地中海・バルセロナ)⑩MSCメラビリア|ヨットクラブ

2017.10.19 航海日

 最後の日の1日前に「航海日」がありました。

 MSCメラビリアのヨットクラブではレストランは18階と19階に1つずつ、また16階にトップセイルラウンジがあります。高額だとは思えない家具類が並び、窓枠の下の手すりも安っぽい。

16階
16階(1)
16階(2)


 このラウンジはもっぱら軽食だけを食べされてくれます。私はここでコーヒー(ブラックコーヒーかアメリカンコーヒー)を飲みましたが、メニューにはありません。つまり、MSCメラビリアではエスプレッソ、カプチーノやカフェラテのほうがよっぽど一般的なのです。しかし、ここで残りのコーヒーは、アイリッシュ・コーヒーを除き、あとは聞いたことはないのです。多くはイタリアで流行しているコーヒーだそうです。

ベイリーズコーヒー

 ジンセンコーヒー(Ginseng coffee)は高麗ニンジン入りのコーヒー。カッフェ・ドルゾ(caffe d’orzo、Barley coffee、大麦コーヒー)は大麦からできたノンカフェインのコーヒー。麦茶と似ているようでも実際は違っている。カフェ・コレット(caffe corretto)はエスプレッソに少量のお酒が入ったもの。アイリッシュ・コーヒー(Irish coffee)はアイリッシュ・ウイスキーをベースにして生クリームを加えたコーヒー。ベイリーズ・コーヒー(Baileys coffee)はアイリッシュ・コーヒーにベイリーズリキュールを加えたものだそうです。

 最後の夕食は18階で正式なディナー(?)でした。1週間で2回(だと聞きました)、少し贅沢なディナーがでるようです。バルセロナの直前にディナーがでました。

 2人で「ロック・ロブスターテール」と「ビーフフィレのタリアータ」を頼みました。

ロブスターテール
ビーフフィレ

 結局、ヨットクラブはゆっくりと暮らせる客室でした。でも、ドリンクやビールではないものを飲食すると、日本のレストランと比べても、あっという間に高額になります。日本と比べると、MSCメラビリアのほうがパンとジュースの種類では勝ち、食事の内容では簡単に負けます。ただし、量は多い。

2017.10.20 バルセロナ

 翌日、下船します。

 午前10:45、サグラダ・ファミリアを見ました。はるか昔、外から見るだけだったときには、不気味な建物だったと思っていました。ところが、中に入ることができると、全く違います。嫌なところはなく、かえって、明るく、きれい。この2~3年間で、中身は大きく変わったようです。午後12:10、空港に向かいます。

 クルーズはこれでおしまい。

 まとめは、①観光地はきちんと調べ、コピーをとり、そのコピーは持って行く。②コンシェルジュやクルーズ会社の観光情報はあてにはできない。③タクシーがいい場合もある。ただし費用はかかる。チップは釣り銭で充分。④現金も持って行くこと。⑤英語はまだ使えない地域が普通。